「経営学がビジネスの役に立つか?」という問いの向かう先
早くも前回の投稿から1ヶ月があいてしまいました。
書き残しておきたい欲求はあるし、定期的に筆を執ろうと思います。
今回は、「アカデミアにおける経営学」と「実際的な経営・実務」の乖離について、日経ビジネスオンラインにあった記事を参考にしながら、書いてみます。
ざっくり要約:「経営学ってビジネスの役に立ってますか?」
ふとネサフしていたら、たまたま目に飛び込んで来たのが、「経営学ってビジネスの役に立ってますか?」という記事。
経営学の知見が、どれだけビジネスパーソンに知られているかというところから、アンケート調査等によってその普及度を計測・問題提起し、今後のアクションを語るという内容。
「経営学ってビジネスの役に立ってますか?」:日経ビジネスオンライン
「経営学 = 実務家の役に立つ」という図式について
もともと経営学は応用学問で、「実務家の役に立ってなんぼ」と考えていましたから、自分の研究がビジネスパーソンたちに届いていないことに対して真剣に悩んだのです。
文中では、このように問題意識が語られています。
私自身も大学で経営学を一応専攻していたバックグラウンドがあり、同じような感覚を持っているのですが、経営学の知識が普及することで、ビジネスの役に立つという図式が成り立つかどうかは、かなり疑問かもなあと思っています。
経営学を体系的に学んだことの直接的なメリットは、「ビジネス本に頼らなくても、ビジネスの現象や活動内容を構造的に理解するスピードが早くなり、また類推できるようになった」ことだと解釈しています。
ただし、大学自体はあるテーマを取り上げて「学び方を学ぶ」という場所なのかもしれませんし、これはどの学問領域にも共通している要素だとは思うので、人に依るのかもしれません。
つまるところ、「実務家の役に立ってなんぼ」という理想への到達には、ナレッジやノウハウの提供方法に課題設定するのが妥当なんじゃないか?と思います。
経営学の要素が、極端な各論・方法論に分解されて提供されている?
経営学の要素・各論だけで役に立つことは考えにくいですし、ある程度の全体観が必要になると感じています。これは経営学に限ったことではないですが、その局所的な知識を手に入れた状態で、「~は役に立たない・使えない」みたいな形になっているのかなと。
原因としては、効率や生産性の観点から、すぐに役に立ちそうな各論ベースのビジネス本が好まれていて、体系的な思考を得られにくい構造になっていると思います。
あとは、企業活動が経済の主な単位になっている世の中のためか、経営学の要素を細かく手に入れる行為・機会がマジョリティになっているから、相対的に「経営学はビジネスの役に立たない」みたいな声が多いように感じられるのかもしれませんね。
まとめ
結局、体系的な知識を手に入れ、演繹・帰納の両方からアプローチするといった「自分のあたまでかんがえよう」という話に収束するのかもしれません。
しかし、経営学の中から抽象化ないし一般化した概念の一つひとつの細かい単位で、ビジネス本1冊が発売されたり、リバイバルされたりといったことがずっと続いてきている流れがあります。
これらを鑑みると、断片的な知識(特に方法論)の獲得は話が早いので、結果として全体観を以て解釈するのが、より難しくさせられているのかなと感じました。
いざ書いてみると、頭の中で論点がとんでもなく多くなってきたので、一旦このあたりにしておきます。
思考を文章にして、かつ読み手に伝わるようにするって、自分の技術的にはまだまだ難しい。
また気が向いたら書きます。
本日も、最後尾異常なし。